MEN-EIJI 創業当時の醤油らーめん ten years ago- | 大盛上等!ダイエット挫折日記 in 札幌

MEN-EIJI 創業当時の醤油らーめん ten years ago-

その昔、学生時代の事だが、船乗りになるための訓練を受けていたことがある。

その当時はGPSはとても高価な機器で、船の位置はもっぱら海図に定規を当てて測定していた。

 

数十分おきに船の進路と速度をもとに地図の上に線を引っ張るのだ。

32度の方角へ12ノットで30分進んだ・・・とかね。

前の位置からの相対距離をつなげていくとそれなりに正しい位置になるはずなんだが。。。

 

不思議なことにどんどんどんどんずれてくる。

 

 

風で流されたとか、操舵がへたくそでまっすぐ進んでいなかったとか・・・。

数十分前の位置からの方角と距離はそこそこ正しくても、時間が経てば経つほど誤差が大きくなる。

 

それを、数時間に一回の人工衛星(当時NNSSとか言ってたなぁ)から送られてくる電波で正確な位置に補正をかける。
これがまたびっくりするぐらい、先の地図上の位置とは全然ずれているんだよね(^^;

 

前者はあくまで「相対座標(の積み重ね)」で、後者の人工衛星からの電波によるものが「絶対座標」というわけだ。

そして、船の速度が大きければその差はなおさら大きくなるのである。

 

~~~~

あれ?

何を話そうと思ったんだっけ?

 

そうそう!

時に絶対座標による補正が必要って話。

 

MEN-EIJIの古川店主がこの日40歳の誕生日を迎えた。

それを記念して10年前に提供していた創業当時の醤油ラーメンを提供するというのだ。

 

全速で走り続けてきたこの10年を確認する意味もあるのだと思う。

原点の味を今改めて作り、提供することで、今一度現在位置と未来への指針を明確にしようという事なのかも知れない。

 


(↑本日提供の限定メニューten years ago-)


(↑10年前の2007年4月にいただいた醤油らーめん)

 

当時と同じ器に同じレンゲ。
トッピングも同じに仕上げられた一杯。

見た目はまさに「コレコレ」という印象。

 

(↑今回の限定)

 

(↑2007年Ver.)

 

一口いただいた感想は

「あれ?うまっ!!(*o*)・・・あ、そうそう!こんな感じ!懐かしいかも・・・」
てな感じ。
 

正直言えば10年前の味をはっきりと細部まで覚えているわけではない。

だが、懐かしさの前に驚くほどの美味しさにやられたってのが本音。

 

「こんなに美味しかったっけ?」
という思いが先に来た。
あまりに美味しすぎてびっくりだった!!

 

(↑今回の限定:ルルロッソを使っているらしい)

(↑2007年Ver.)

 

そういえば、古川店主が自家製麺にチャレンジする直前に言っていたことを思い出した。

「どんなにイメージ通りのスープを作っても、麺を合わせるとイメージからかけ離れていく。自分の中では"納得のいくスープのまま提供するには、自家製麺に取り組むしかない"と思っている。」

と・・・。

 

最初は意味が分からなかった。

 

満足いくスープのまま提供するには麺を変えるしかない?
自家製麺に??

 

(↑今回の限定)

(↑2007年Ver.)

 

麺が重要なことは自分でもわかっていたつもりだったか、本当の意味で古川店主が言っていたことを理解するのは、それからしばらくして自家製麺に切り替えられたMEN-EIJIの新しいラーメンを食べてからだった。

 

「言いたかったことはこれか!やりたかったことはこれか!」

というのが、自家製麺に切り替えられたMEN-EIJIのラーメンを食べた直後の感想だった。

 

 

 

そうか。

きっと、今日いただいたラーメンは

『10年前に提供していたラーメン』

ではなく

『10年前に提供したかったラーメン』

なのかも知れない。

あるいは「10年前に提供していたレシピの完成形」の方が正しい表現かな?

 

 

当時は出したくても出せなかった味。

 

自分自身の仕込みやスープの出来ということではなく、麺との相性だったり、その他の理由で生じてしまった誤差と言ってもいいのかも知れない。

それが、10年経って10年前のイメージ通り提供できたラーメンなのかもなぁ。。。

 

 (↑現在)

(↑2007年)

 

それともう一つ。

 

高校生の大谷翔平が全力で投げる145km/hと現在の大谷翔平が力をセーブして投げる145km/hではやっぱり打者を抑える力ってのが違う気がする(^^;

 

当時の汗だくで全力投球の醤油らーめんももちろん美味しかったが、余力を持って投じた今日の限定Ver.では人々を感動させる力が違っているのかも知れない。

今日の一杯には圧倒的感動力があったように思う。

 

お店には沢山のお客様がいらしていて、あちこちから「美味しい」という感嘆の声が漏れ聞こえていた。

舌の肥えた今のEIJIファンも納得で感動の美味しさに仕上がっていたのは間違いないが、やっぱり10年前のそれよりも「美味しくなってしまった」ように思えてならない(笑)

 

 

全力疾走を続け、10年で大きく歩みを進めたMEN-EIJIと古川店主。
人より歩幅も大きく進むスピードも速いが故に、確認の必要があったその原点。

この先さらに大きく遠くへ進むために、歩んできた道を振り返ったのかも知れない。

 

 

 

自分だったら・・・成長していないことを認めるのが怖くて10年前を振り返れないかも(苦笑)

 

これからまた10年のMEN-EIJIの進化が楽しみで仕方無いです!


とても素敵なイベントで、食べる側の自分としても意味のあるラーメンでした。

ごちそうさま・・・。

 

「今日の一言」

  足跡で

   歩む距離知る

     冬の道